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2004年9月3日(金) ちんどんや

ミックス中なので、聞こえてくる音にはなんとなしに敏感になっているらしい。巷で流れている雑音のなかの歌でも、「お、結構歌が前にでているんだなあ」とか思いつつ街を徘徊していたら、かなり刺激的なリズムが聞こえてくる。ぬ〜〜っと近づいてみるとチンドン屋であった。かなり複雑なポリリズムである。クラリネットなんだよなあ、、と感心しながらチンドン屋のルーツはクレズマーなのかなあっとか考えていた。しかあし、いまだ、旅一座の格好でカツラもきっちり装着なさっていて凄い。夜、代々木公園でぼやあっとしていたら、かなり複雑な男性の声のポリリズムが響いてきてぬら〜〜っと寄っていったら、なんと応援団の練習であった。私はてっきりライヒかペンデレツキか、、とか思っていたらみなさん汗の匂いむんむんの方々であった。アレにかなり刺激的なキックを足せばすげえイケてるなあ、。。っとかアレンジを考えつつ。。応援団はカナリいいぞいいぞぉ。。ビョークのバックよか刺激的だ、、などとワクワクしたりしつつ、仕事場に戻った。
こうして思うと、巷にあふれる刺激的な音たちはきっと一工夫でかなりイイ。
ぞ、と。

2004年9月5日(日) 自己表現

ミックスの調整待ち時間にぼやあっと御近所でモカフラペチーノを飲んだりしているのだが、今日は日曜日のせいかコンサートにゴスロリちゃんたちが大集合していた。ウチの前の道はNHKや渋公に繋がっているため、かなり日夜激しい仮装行列が繰り広げられるのだ。凄いなあ、、と一緒にいたMと一緒に今日の大賞を決定していたのだが、誰しも甲乙つけ難い。と、すると、いつもパルコ前で小さな声で演説しているおばちゃんが逆流してきた。よくNYの地下鉄には一車両にひとりは演説な激しい人が乗っているが、そんなおばちゃんだ。結構哲学じみた事をこれまた聞き取れるのか?くらいな小さな声で演説している姿を良く見かける。決して間違った事は言っていないし、人の迷惑にもなっていない。わずかな賛同者もいるやもしれぬ。うーん。しばし、そのおばちゃんと自分との差を考えてみる。やっている事にほとんど差はないようにも思うのだが、。。何が違うんだろう、、としばし考えつつミックスチェックに戻り、我ながらかなり感動しつつ、、ああ、、感動ねえ。。っと思うのであった、ぞ。と。

2004年9月12日(日) フォーク化現象

私もそうかもしれぬが、だいたいにおいてマイナーでしんみり歌ったほうが心も入れやすく楽ちんではある。が、、だ。
ぶらあっと代々木公園のようへ歩いていると最近妙に気になる事がある。なんだかしんみりギターの弾き語りが多いのだ。むかあし、路上といえばハゲシかったはずだが。。
最近しんみり「きみが〜〜いじめられる〜〜なら〜僕がまもってあげる〜〜」とか、暗い歌詞が多い。
ふう、、四畳半かあ、寺山修二かあ、、な昭和な気分になってしまう。まあ昭和はまだ反骨があったか。。
オイオイオメエラどおしたあ!っとカツを入れたくもなる。
そんな中、激しいヒップホップにすんげえ民族打楽器音が入ったかっちょいいリズムが聞こえたので近付いてみると、なんだ、、阿波踊りの練習だった。やや遠くのloopリズムに太鼓や鳴りものが混じってかなありカッコイイ。いつも思うが4拍子なんだけど、二拍子+三拍子の混合なのだ。まあ、若いもんではなくじいちゃんたちが集っているのだがこっちのほうがはるかに明るく激しいのが余計物悲しい。
このまま、日本はフォーク化現象はまだ続くのであろうか。。。。

2004年9月14日(火) 毒虫

思春期前に、まだシュールレアリズムなぞ触れた事ない純な頃、図書館で発見したカフカの「変身」なぞはかなり興奮した。とにかく別世界に連れてってくれるものなら何でもよかったのかもしれぬ。なんてったって朝おきたら一匹の毒虫になっているのだ。かなりの変身だ。今から思えば、吉田戦車となんらかわらぬ漫画チックな気もするが、なぜか「アイデンティティー」やら実存主義やら不条理やらなんやらコムズカシイ風にとらえようとしていたのが楽しかったのかなあ。。
毒虫といえば
最近、私の周りで「チャドクガ」がブームになっている。エンジニアもやられ、Mもやられ、かなり頭おかしくなるほど痒いらしい。私も公園で腕をちょっとヤラレタっぽい。ふさふさの毛虫なのだが、その毛が空中を舞っていて触れても、見てもいないのに、イキナリ湿疹がどわ〜〜っと出て痒くなる。なかなかの恐怖である。「あ、タンポポ」なぞと思ってはいかんのだ。「あ、チャドクガの毒毛」と秋の青空を見上げねばならぬ。ぞ、と。

2004年9月20日(月) マスタリング後

やっとソロアルバムのマスタリングも終わり今日はジャケの打ち合わせなぞをしていた。なんだか面白そうなモノができそうで楽しかった。。。というか、スタッフが面白いメンバーなので当日が楽しみである。
マスタリングまではずっとまだ自分の手で修正可能なので頭の片隅というか全面にドッサリのしかかっているのでいつでも気になっているのだがマスタリングは、うーん、諦めというか結婚のようなものかもで覚悟なのかもしれぬ。「私はこの音でいきます」
的な覚悟がいる。イザとなるとアラがぼろぼろ発見されるもんでびっくりなのだがマスタリング後しばらくたてばもうどうでも良いというか気にならなくなるもんだ。きっと成田離婚なぞせずにしばし一緒に生活していればいいのかもしれぬ。まあ、私の場合マスタリングした途端、もう次の事考えはじめるのだが。。。
しかし、しばらく制作で世間から遠ざかっていたような気もし、マスタリング行くとき高速道路でハンディカムのポスターを見て「あ、オトタケさんだ!」と言ったら「よく見ろよ〜、、ハンディカム持っているだろ〜〜、あれはヨン様っていうんだ〜」っと言われ、、オリンピックも終わっているらしいし、うーん。さっぱりわからぬ。ぞ、と。

2004年9月21日(火) 薔薇族

月刊薔薇族が今日をもって休刊になった。ネットのエロサイトの余派らしい。
なんだか時代は変わるのだなあ〜〜っとじーんとした。
果たして、エロは情報を得ればいいのか?と疑問を感じる。まずは「薔薇族」というハデ〜〜なネーミングな怪しい雑誌の存在があるという事を想像する事がエロだと思うのだが。。それらと同じ情報が簡単に手に入るからとてそれは感じるものなのか?と思う。そんな情報は今欲しいプラズマテレビの値段の最安値となんら変わらぬ。
抑圧があるから欲望になるのではないか。。。と。つくづく思う。
垂れ流される煽りたてる情報より、月に一度そっと出版される一冊の雑誌。それよりいやらしい描写なんて何もないがとても感じる文学作品の一文。表層ではなく脳裏に焼き付き一生ふと思い出しては感じ続けるような官能が、私は好きだぞ、と。

2004年9月24日(金) 撮影

ジャケットの撮影も無事終わりかなりホっとした。今回はヘアメークのKさんとは初めてなのでどうなるか楽しみだったのだが、メーク中、いろいろな話しをしていてかなりなるほど、と思った。Kさんはずっとパリにいるのだが、パリもパリ以外でも今はマイナスの美学だそうだ。メークはするが髪はボサボサ。口紅つけてもファンデーションなし。など。
Kさんはいよいよ撮影という時に、今度はまるっきり変えると言い出し、アイラインもアイシャドーもマスカラもなにもかもとってしまい、眉毛とその下に色を入れただけでできあがり、、という。むむむ、、コレはいつもの私の御近所お買い物ノーメークに近い、、、。うーん。一瞬たじろいだ、が。なんせその道のプロのヤル事だ。なんか意味あっての事に違い無い。素人の私が鏡を見て判断してはいかんのだ。と、撮影してみると、確かにイイ。ほ〜〜〜。凄いなあ。。と感心してしまった。
要するに目は命のようなもんでノーメークに近いからこそ素の私の強さのようなものが出ているのかもしれぬ。
撮影終わってつくづく思う事は、メークでなんとかならあ〜〜ではなく、日頃の思想、素の自分こそ大切なんだなあ、、、と。

2004年9月30日(木) ネーミング

田舎の看板は、面白いものが多い。
ぶら〜〜っと漁村をドライブしていたとき、普通の日本家屋の魚料理屋だったが「舞網(マイアミ)」とあった。いやあ、やっぱり店長は昔「族」だったのか、、。
しばらくするとデカイ看板で「くろんぼ」という海の家があった。いやあ、堂々としているだけに、差別用語とはやはり使用する人の心次第である、、とつくづく思った。
まあ、こういうセンスと対角線上にある例えばペンション「いちごみるく」とかそういうネーミングもゾゾっとくる。白馬のペンションでいくらオーナーが馬所有してるからって「馬と私」というのもいかがなもんか、、と。。。
ネーミングは凝縮された俳句センスのようなものかもしれない、ぞ、と。

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